『チ。―地球の運動について―』はいつ完結した？アニメと原作の違い

『チ。―地球の運動について―』は、地動説をテーマに人間の信念を描いた話題の漫画作品です。

この作品がいつ完結したのか、またアニメ化されたことで原作との違いはあるのか、気になっている人も多いでしょう。

本記事では、『チ。』の原作漫画の完結時期や最終回の内容、さらに2024年から放送されたアニメ版との違いについて詳しくまとめました。

『チ。』の原作漫画はいつ完結したのか？

『チ。―地球の運動について―』は、魚豊（うおと）による青年漫画で、地動説を巡る人間たちの信念と葛藤を描いた作品です。

その壮大なテーマと濃密な人間ドラマで、多くの読者を惹きつけました。

では、この話題作はいつ完結を迎えたのでしょうか？

連載期間は2020年9月〜2022年4月

『チ。』は2020年9月14日発売の「ビッグコミックスピリッツ」2020年42・43合併号から連載がスタートしました。

そして、2022年4月18日発売の同誌2022年20号をもって完結しました。

連載期間は約1年7ヶ月という比較的短期間ながらも、密度の濃い構成とテンポ感のあるストーリーテリングで一躍注目の作品となりました。

全62話・単行本8巻で完結済み

全体の話数は全62話で、単行本としては全8巻構成です。

各巻ごとに異なる時代や人物が描かれ、地動説というテーマを軸に、異なる視点で物語が展開されていきます。

最終巻では現実世界と地続きの舞台が登場し、作品世界がひとつの終着点を迎える構成となっており、読み終えた読者に大きな余韻を残しました。

『チ。』アニメ版の放送時期と完結状況

『チ。―地球の運動について―』は原作漫画の人気を受けて、NHK総合にてアニメ化されました。

重厚なテーマをアニメでどう描くのか、原作ファンや新規視聴者からも大きな注目を集めました。

ここでは、そのアニメ版の放送時期と、どこまで物語が描かれたのかを見ていきましょう。

アニメは2024年10月〜2025年3月に放送

アニメ『チ。』は2024年10月5日から2025年3月15日まで、NHK総合にて連続2クール（全25話）で放送されました。

制作を手がけたのはマッドハウスで、緻密な作画と演出で作品の世界観を表現。

オープニングテーマにはサカナクション、エンディングにはヨルシカが起用されるなど、音楽面でも高い評価を得ました。

全25話で原作のラストまで描写

アニメ版は、原作全8巻・62話を全25話で完結まで描いた構成となっています。

章ごとに主人公が変わる構成や、時代を超えてつながる“知のバトン”といった主題も丁寧に再現。

最終話ではアルベルトによる知の継承が描かれ、原作の感動をそのまま映像化しています。

アニメと原作の違いとは？

アニメ『チ。』は原作の物語を忠実に再現しつつ、映像作品ならではの工夫が随所に施されています。

ここでは、原作ファンや初見の視聴者が気になるポイントである、アニメと原作の違いについて詳しく解説します。

「内容の改変があるのか？」「演出の違いは？」といった視点から見ていきましょう。

キャラクターの心理描写が丁寧に描かれている

アニメ版では、キャラクターの感情の揺れや内面描写によりフォーカスが当てられています。

たとえば、ラファウの苦悩や、オクジーの信仰と恐れの狭間に揺れる姿などが、声優の演技や表情の細やかな動きで視覚的に強く伝わってくる点が印象的です。

原作では文字だけで表現されていた細かな心の動きが、アニメではより生々しく描かれており、観る側の没入感が高まる演出になっています。

アニメでは章ごとの演出強化・音楽による感情表現

原作の構成に沿って展開される各章は、アニメでは章ごとのトーンにあわせた演出や音楽で色分けされています。

特に注目すべきは、ヨルシカが手掛けるエンディングテーマ。

第1章〜第2章では「アポリア」、第3章以降は「へび」が起用され、それぞれの章の終わりに余韻を持たせています。

音楽が感情表現の一部として機能しているのはアニメ版ならではの魅力であり、原作にはない深みを与えています。

『チ。』最終回の結末とそのメッセージ

物語のラストをどう締めくくるかは、読者や視聴者にとって非常に重要なポイントです。

『チ。―地球の運動について―』の最終回は、知を未来へ繋げることの大切さを深く描いた感動的な幕引きでした。

ここでは、その結末の要点と、作品全体を通して伝えたかったメッセージを読み解いていきます。

アルベルトの再出発が描く希望の未来

最終章の主人公は、ポーランド王国の青年アルベルト。

かつて学ぶことを拒絶した彼が、ラファウとの過去を思い出し、再び「知の道」へと歩み出す姿が描かれます。

父親をラファウに殺されたという暗い過去を背負いながらも、大学へ進学し、地動説に関わる注釈書を著すまでに成長していく過程は、非常に象徴的です。

地動説のバトンは次世代へと引き継がれた

ラファウをはじめとする多くの登場人物が命がけで守り、伝えてきた地動説の「知」。

それはアルベルトという新しい世代に託されることで、過去から未来へとしっかりと繋がりました。

「知は死なない」「信念は受け継がれる」というメッセージが、最後のシーンで明確に示されます。

作品の冒頭とラストが円環を描くようにリンクしている点も、物語構成として見事でした。

『チ。―地球の運動について―』完結とアニメの違いまとめ

『チ。―地球の運動について―』は、2022年4月に原作漫画が完結し、2024年〜2025年にはアニメ版が放送されました。

原作・アニメともに全編を通して、地動説というテーマを信念で貫く人々の姿が描かれ、多くの人の心を打ちました。

それぞれの表現方法で物語の魅力を引き出しており、どちらも観る価値・読む価値のある作品です。

原作では緻密な構成とメッセージ性が際立っており、短期間ながら文学的完成度の高い漫画として評価されました。

一方、アニメでは視覚・聴覚を通じてキャラクターの感情がよりリアルに描かれ、音楽や演出によって感動が増幅されています。

アニメと原作のどちらから入っても、もう一方の魅力に気づくことができるはずです。

最終回で描かれた「知の継承」というメッセージは、現代の私たちにとっても非常に意義深いものです。

知ること・学ぶこと・信じることの大切さを再認識させてくれる本作は、まさに“読む哲学”と呼べる名作だと感じました。